大学時代の友人と一緒に台湾に旅行に行きました。台湾の桃園空港までは、関西国際空港から台湾のフラッグキャリアであるチャイナエアラインで約2時間ほどです。友人も私も食べることが大好きなので、台湾グルメを楽しむための旅でした。とくに夏の台湾ではマンゴーのかき氷など南国らしいものが食べられるので、お互いの夏休みの予定を擦り合わせてお盆の頃に旅行をしました。真夏の台湾は恐ろしく蒸し暑いですが、その分かき氷もタピオカミルクティーも美味しく感じます。
初日はホテルを取った台北近辺をぶらぶらして過ごしました。台北で最も大きな夜市である士林夜市で食べ歩きをしましたが、屋台のごはんはどれを食べてもおいしかったです。かの有名な顔の大きさほどもある鳥の唐揚げはジューシーな上にちょっとだけスパイシーで食欲が増しますし、台湾ビールにもよく合います。
台湾風の牡蠣のオムレツは不思議な触感で、片栗粉でとろみをつけているのか少しもっちりしている食感が美味しかったです。オムレツにかかっているソースもオイスターとケチャップを混ぜたような味で、日本人はみんな好きな味だと思います。とにかくたくさんご飯を食べたのですが、中でも私が気に入ったのは愛玉ゼリーでした。甘酸っぱいレモネードのようなシロップをかけていただくゼリーなのですが、これが暑い台湾の気候にぴったりのすっきりした喉越しで最高でした。
旅行の三日目に台北駅から九份と十份に日帰り旅行で行きました。台湾の国鉄とバスを乗り継いで台北駅から1時間ほどで行ける街なのですが、どちらも美しい街で観光を楽しめました。特に九份はあの「千と千尋の神隠し」に出てくる油屋風の街並みが広がっており、夜になれば赤い提灯に明かりが灯って幻想的でした。こちらは日本人の間でも有名な観光地なので、九份行きのバスの中はほとんど日本人で苦笑してしまいました。
実際に現地に着いてからも辺りは日本人だらけで、台湾に来た感覚はあまりありませんでしたが楽しかったです。物価も台北に比べれば少し安かったような気がします。そして同じ日に九份からほんの30分ほどの十份にも足を伸ばしましたが、こちらではほとんど日本人を見かけませんでした。
九份の最寄り駅である瑞芳駅からローカル線に乗り換えて向かうう街ですが、台湾のローカル線はものすごく線路が狭くてびっくりしました。また、この路線は一時間に一本しか電車が来ないので、なんと十份の街では電車の線路の上に屋台を出しています。電車が来る時刻になったらお店の方が急いでお店ごと線路の外へ移動していく様子が面白かったです。
九份をぶらぶらと歩いている時、観光のメイン通りから外れて現地の方の自宅が多くある住宅街に迷い込んでしまったのですが、そこで突然背後から「バン!バン!」と爆発音が立て続けになったのには飛び上がってびっくりしました。ちょうどその頃は欧州でテロがあったので、友人と共に物影に身を隠して辺りを警戒しました。音がまさしく「爆発音」といった感じで、しかもそれがかなり大きな音だったので本気でテロか何かだと思い、友人と「これやばくない?」「ここ観光地やしほんまにテロの標的になってもおかしくないで」などと焦りつつ旅行会社のツアーデスクの電話番号を調べているうちに、現地の台湾の少年が二人、申し訳なさそうにこちらに近づいてきて「すみません、爆竹を鳴らして遊んでいただけです」とわざわざ説明してくれました……。
彼ら曰く、春節の日に余らせた爆竹が家の中にあったので遊び半分で鳴らして遊んでいたとのことでした。私は少し中国語ができるので「気を遣わせてごめんね」と謝り、そそくさと観光のメインストリートに戻りました。かなりびっくりしましたが、遊びで爆竹を鳴らすというのも台湾ならではの面白い風習が見られました。