10月にベトナムのホーチミンへ一人旅をしてきました。まとまった休みが取れたため、気分転換にのんびりしたいと思い、行ったことのないホーチミンを選びました。関西空港からタンソンニャット空港までベトナム航空を使い5時間ほどのフライトでした。気候は一年中暑いのですが、私が訪問した10月はちょうど雨季の終わりころだったようで、毎日日中か夕方にはまとまった大雨が降りました。ただ、スコールなので長くても30分もあれば降りやんで、雨上がりのしっとりした空気も熱帯の情緒が感じられて良いものでした。

ホーチミンは意外と有名な観光地といった見所が少なく、世界遺産もありません。ただ食文化やスパ、マッサージなどがとても充実していて、毎日をリラックスして過ごすにはとても良いところでした。ベトナム料理や各国料理を楽しみつつ気が向いた観光地を少し訪れて、1日の終わりにマッサージで疲れた足をほぐしてもらうという過ごし方をしていました。

その中で訪れたところのひとつは戦争証跡博物館で、オプショナルツアーに参加しました。ここはベトナム戦争時の従軍写真家らの写真や戦争の遺物などを展示しており、戦争の現実を後世や世界に伝える役目を果たしています。中でもホルマリン漬けの胎児が展示されており、想像以上の衝撃を受けました。ちなみに午前の営業は12時までだったのですが、11時55分ころには博物館のスタッフが昼休憩に入りはじめ、早々に追い出されたのは熱帯の国らしくて面白く感じました。

とにかく人の明るさが印象に残る国でした。毎日晴天で暖かい気候なのも要因なのかもしれませんが、人懐っこい人の多く感じられました。ホーチミンでは路上のそこかしこで小さな露店が出ています。地元の人たちがプラスチックの椅子をと小さなステンレスのテーブルを置いて、コーヒーやさとうきびのジュースの路上カフェやフォーの店をしています。

日中歩き疲れて休憩をしようと思い、路上のカフェでコーヒーを飲もうと思い立ったのですが、注文の仕方がわかりませんでした。立ったままキョロキョロしていると先客の地元のおじさんが、ここに座れと椅子を引いて勧めてくれました。その椅子に座って、おじさんが飲んでいるコーヒーを指差して同じものを注文しました。ベトナム語ができないのでおじさんとは片言の英単語で話すこと以外できなかったのですが、同じテーブルに座ってのんびりコーヒーを飲みながらバイクの走り回る路上を見ているだけで、不思議と楽しいものでした。

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道路を渡れなくて苦労しました。ホーチミンでは想像をはるかに上回るほどのバイクが走っていました。道路を埋め尽くすほどバイクがいますし、家族での4人乗りなんかも見かけるほどです。観光地になっている中心地はとりわけ交通量が多かったこともあり、とにかく大変でした。怖くて渡れないんです。車幅いっぱいに、しかも切れ目なくバイクが走ってきますし、日本のように信号も整備されていません。

タイミングを見て横断するわけですが、なかなか切れ目ができず、結局数分間道路の反対側を眺めて立ち尽くすこともありました。たまに同じように道路を渡れない他の観光客の人と一緒になることがあり、お互い目を合わせて苦笑いしながらこわごわ横断することがあったのは面白くもありました。

現地で知り合った日本人の方に聞いたところ、ゆっくり渡ればバイクが避けてくれるので轢かれることはないとのことですが、やはり慣れるまでは苦労しました。保険をかけていなかったので、怪我や事故には絶対にあわないよう気を付けました。ちなみにものすごい交通量の道路を、地元のおばあさんがゆっくり平然と渡っていくのを見た時は本当に驚きました。とはいえ、事故は多いのではないかと心配になりました。